QSPICEを使う

QSPICEというシミュレーターソフトを使ってみました。回路シミュレーターといえば、LTSpiceが真っ先に頭に浮かびます。LTSpiceは、豊富なSpice Modelが実装されています。そのため、使いやすさではピカイチです。しかし、抵抗のシンボルが昔風ですし、シミュレーションはお世辞にも早いとは言えません。そこで、LTSpiceに代わる回路シミュレーターとして、QSPICEを使ってみました。

QSPICEの入手方法

LTSpice等のSpiceと同じく、QSPICEも無償で利用することができます。しかし、QSPICEのダウンロードには利用者情報の入力が必要です。

先ずは、QSPICEのページにアクセスします。

QSPICEのページ
QSPICEのページ

“GET QSPICE NOW”をクリックすると、利用者情報入力画面に進みます。氏名やメールアドレスを入力し、送信すると、メールでダウンロードのリングが送られてきます。

QSPICEはコンパクト

QSPICEはコンパクトです。また、起動も早いです。しかし、LTSpiceのように多くのSpice Modelが実装されていません。これが、QSPICEの利点でもあり、欠点でもあります。ありふれた素子であっても、先ずはSpice Modelを入手する必要があります。しかし、豊富なLTSpiceのライブラリから、Spice Midelを移植することもできます。したがって、LTSpiceとQSPICEを併用すると良いかも知れません。

Spice Modelの入れ込みは簡単です

QSPICEでは、回路に部品を追加する度にSpice Modelを入れ込む必要があります。しかし、この作業は非常に簡単です。回路図にSpice Modelをドラッグ&ドロップするだけです。

回路図にSpice Modelをドラッグ&ドロップするだけです
回路図にSpice Modelをドラッグ&ドロップするだけです

上の画像ではドラッグ&ドロップしています。しかし、Spice Modelをメモ帳で開き、コピー&ペーストしても大丈夫です。

回路図にSpice Modelを落とし込むと、確認画面が表示されます。部品名の変更が必要であれば、確認画面でできます。問題なければ”YES”をクリックします。

Spice Model追加確認画面
Spice Model追加確認画面

Spice Modelが追加されると、回路図にシンボルが表示されます。

Spice Modelが追加されるとシンボルが表示されます
追加されるとシンボルが表示されます

後は、配線を行っていくこととなります。ここでは2回路入りオペアンプを追加してみました。LTSpiceの場合、アンプ1回路分が表示されます。しかし、QSPICEでは、チップ単位での表示となります。少し、勝手の違う部分です。

シミュレーションの実行

シミュレーションを実行するにあたっては、Spice Directiveを書きます。LTSpiceでは、表にパラメーターを入れて編集することができます。しかし、QSPICEでは、直接ディレクティブを書く必要があります。Spice Directiveが頭に入っていれば、QSPICEの方が圧倒的に作業効率は良いです。しかし、Spice Directiveを覚えていないと、かなり迷うでしょう。ただし、QSPICEでは、ガイダンスが表示されます。したがって、コマンドだけ覚えていれば何とかなるでしょう。

ピリオド押下でディレクティブ書き込みができます
ピリオド押下でディレクティブ書き込みができます

QSPICEのシミュレーションはとでも速いです。LTSpiceのように、シミュレーション前に10秒のディレイが掛かることもありません。

QSPICEのシミュレーション結果は別ウィンドウに表示されます
シミュレーション結果は別ウィンドウに表示されます

もちろんFFT表示もできます。マウスの右クリックで表示されるメニューから、FFTを選ぶだけです。

QSPICEのFFT画面
FFT画面

QSPICEを使ってみての感想

色々な回路シミュレーターが世の中にはあります。その中で、QSPICEは比較的後発ではないでしょうか。コンパクトさと、高速なシミュレーションは、一つの進化系でしょう。しかし、その一方で多くの利用者に使われてきたLTSpiceは、豊富なSpiceModelが持ち味です。

どちらも甲乙つけがたい良さがあります。私がお勧めする使い方は、併用です。LTSpiceの豊富なSpice Modelを拝借して、QSPICEでシミュレーションを行うと良いでしょう。スキマチックファイルが、両者共通ならもっと使いやすいでしょう。しかし、ちょっと試してみましたが、上手くいきませんでした。残念です。

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