月: 2015年10月

『ふたり』 読書

『ふたり』

私には映画を見るという習慣が無いのですが、大林宣彦氏の映画は概ね欠かさず観ています。そして、原作のある映画の場合、ほぼ確実に原作を読んでから映画を見るようにしています。しかし、今回手に取った『ふたり』に関しては珍しく映画は何度も観ており、DVDも購入したのですが二十年以上も原作を読んでいませんでした…
『河童』 読書

『河童』

言わずと知れた芥川龍之介氏の代表作です。精神を患った者が語った事を物語としたという一文から物語は始まります。見方によっては、河童の話を語るその人こそが著者である芥川龍之介氏自身なのかも知れません。このあたりは『妙な話』と併せて読むと何となく事情がつかめるように思います。 物語は男がある日沢伝いに山を…
『ちゃっかり温泉』 読書

『ちゃっかり温泉』

ちゃっかり、仕事をサボってふらりと温泉に行く、そしてその近所の店にふらりと寄って食事をする。そんな贅沢なひと時を過ごすことを著者はちゃっかり温泉と呼んでいます。著者は久住昌之氏。久住氏の著書といえばどちらかと言えば漫画が多く、最初に久住氏の著作を手にしたのは、実弟との共著である『中学生日記』です。出…
『億男』 読書

『億男』

本屋大賞にノミネートされたベストセラー、『億男』を読んでみました。実際に購入したのは昨年なのですが、何となくずるずるとそのままにしてしまい、昨日やっと読み終わりました。 ネット上の著者インタビューでは、著者はこの本を書くに当たって所謂億万長者120人にインタビューしたそうです。実際、この本の中に出て…
『妙な話』 読書

『妙な話』

『妙な話』という題名どおり妙な話です。登場人物の僕と、神出鬼没の亡霊のように現れる赤帽が同一人物なのか? もし同一人物だとすれば僕は精神を病んでいるようにも思えるし、結末では僕がヒヤリとした心模様が描かれていて、どうにもちぐはぐな印象を受けます。 一節によると、著者はこの作品を書いた頃、既に精神を病…